摂食障害に関する書籍や映画などの書評・評論をむちむちさんに書いていただいてます。他の書評・評論はコチラから(時系列順)
書評
大林正博
「幸せの絆を求める女たち―心療内科の診察室から」
講談社
みなさん、あけましておめでとうございます。今年もぼちぼち更新していきたいと思っていますので、おつきあいのほどよろしくお願いします。
2000年に出版されたものなので、新刊書店では置いてないかも。私は名古屋の女性会館の図書室で借りました。図書館の精神医学の棚にならありそうです。
心療内科医の著者が、自身が出会った患者さんとの実例をもとに11人の少女たちを描いています(特定の人物と分からないように多少事実と変えたりと、あくまでもフィクションと謳ってありますが)。
摂食障害に陥る少女たちも描かれているということでも興味を持ってもらえると思うのですが、臨床経験も未熟な研修医時代から患者さんと向き合うに当たって、謙虚かつ真摯な著者の姿勢や人柄が文から伝わってきます。この本に出会うまでこの著者のことは知らなかったのですが、他にも著書、訳書があるそうなのでこれから読んでみるつもりです。因みに著者は1950年生まれの医学博士で、現在は埼玉県さいたま市にある「心と体のクリニック」の院長をつとめられています。
11人の少女たちは摂食障害のほかに、抑うつ状態、反応性うつ病、境界例(人格障害)、自律神経失調症、過敏性腸症候群、パニック障害、対人恐怖症、解離性障害などの症状を抱えて著者のもとを受診します。摂食障害と併せてこれらの症状に苦しむ人もいるのでは?ひとつひとつの説明も丁寧だし、15年前の本ですが古さをほとんど感じないので、これらの症状の理解を深めるのにも適した一冊だと思います。図書館で思いもかけない良い本との出会いがありました。これだから図書館通いはやめられない。
黒川祥子
「子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち 」
集英社
もう一冊、これは摂食障害とは関係ないのですが、みなさんにも興味を持ってもらえたらと思って取り上げました。
著者はこの本の前に開高健ノンフィクション賞を受賞した「誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち」 (集英社文庫)という作品を発表していて、児童虐待がテーマだったので読んだのですが、とても良かったのです(よかったらこちらもぜひ読んでみてください)。それでこの本も手にとったのですが、いやー…私、子宮頸がんワクチンについて無知すぎました。色々副作用が問題だとか言われているのはなんとなく見聞きしていたけど、本当になんとなくでした。この本で現実を知ってショックを受けました。これほどまでに実際に副作用に苦しむ少女たちが存在しているのに、まだ推奨されているワクチン。。製薬会社の利益追求が問題なのか?政府ぐるみの社会的問題のはずなのに、どうして抜本的解決にひとっ飛びにいけないのか。すごくすごく考えさせられたし、未だにモヤモヤした気持ちが拭えない。副作用に苦しむ少女たち、その母親たちの気持ちを考えると辛すぎる。十代のひとたち、女の子の子供を持つお母さんにはぜひ読んでもらいたいです。
執筆者
名前:むちむち
年齢:1979年生まれ
性別:女
16歳頃から過食が始まりました。ずっと吐かない過食でしたが、2011年の暮れ頃に吐くことを覚えてしまい、そこからは毎日過食嘔吐。ひどい時は一日4〜5回食べ吐きを繰り返していましたが、現在は一日一度に落ち着いています。
私はダイエットがきっかけではなく、幼少時に受けた性虐待などが原因だと今のところ診断されています。摂食障害の他にもPTSD、うつ病、解離性障害、身体表現性障害、衝動制御障害など…色んな診断名がつけられてきました。過食が始まった頃から精神的にも不安定になり、自殺未遂を繰り返した時期もありましたが、今は短時間ながら働けるところまで快復しました。
本の虫で、とにかく数だけは読んでいるので、主に摂食障害に関する本の感想などを書くことなんかで皆さんとつながっていきたいなと思っています。よろしくお願いします!詳しくはコチラ。
リクエスト本
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最後に
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