摂食障害と蘭 Eating Disorder Ran

[書評・評論]「じつは私、摂食障害の子をもつ母親なんです」石原 朱理 著

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 書評

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石原 朱理
「じつは私、摂食障害の子をもつ母親なんです」
幻冬舎ルネッサンス

去年発売された本ですが、先にブログで読んだことがありました。私はかなり熱心にブログ記事を追っていたので、書籍化されても本文に目新しさはあまりなかったのですが、巻末に母娘対談が収録されていて、それは書籍のみで読むことができます。因みにブログは「摂食障害の子をもった母のブログ」というタイトルで今現在も更新されています。

筆者は旦那さんと共に知的職業に就かれており、ティーン世代の二人の娘さんがいます。長女の方が高校生の頃(対談で本人は中学生の頃からと言っていますが)拒食でかなりの低体重になったことで異常に気づき、症状はその後食べ吐きに移行、家族を巻き込んでの母娘バトルが日々繰り返されます。日記形式で綴られているのでさらさら読めるし、母として、妻として、そしてフルタイムで働く一女性としての胸の内が赤裸々にダイレクトに伝わってきます。

占いに縋ってみたり、セミナーに参加してみたり、両親そろって怪しい?修行に大金を投じたりもしていますが、すべては娘を想うがこそ。親が何とかして娘の病気をなおしたい!という鬼気迫るまでの熱意が伝わってきます。病院との関わりも書かれているので、ここでも「いい」医者と「ダメな」医者が登場します。

きぴさんのコラムでも少し触れられていましたが、この家族も両親が共働きで経済的には富裕層のようだし、娘二人とも成績優秀みたいだし、家庭環境としては摂食障害に陥りやすく且つ抜け出しにくい条件が揃ってしまっていたのかも。食べ吐きを繰り返す人には、必然的に大量の過食食材に費やす食費という重しがのしかかってくるけれども、この本では「食べ物がもったいない」「世界には飢えた子供達が…」という言葉は出てきても、「経済的に苦しい」「食料を用意することが(経済的に)大変」といった言葉は一度も出てこない。それが食べ吐きの負のスパイラルを皮肉にもより強固にさせてしまったのかも、と感じました。

摂食障害当事者の書いた本もそれほどたくさんあるわけではないけれど、こうした当事者を支える家族の声はとても貴重だと思います。同じような悩みを持つ方には力強いメッセージ性もある一冊だと思います。

執筆者

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名前:むちむち
年齢:1979年生まれ
性別:女

16歳頃から過食が始まりました。ずっと吐かない過食でしたが、2011年の暮れ頃に吐くことを覚えてしまい、そこからは毎日過食嘔吐。ひどい時は一日4〜5回食べ吐きを繰り返していましたが、現在は一日一度に落ち着いています。
私はダイエットがきっかけではなく、幼少時に受けた性虐待などが原因だと今のところ診断されています。摂食障害の他にもPTSD、うつ病、解離性障害、身体表現性障害、衝動制御障害など…色んな診断名がつけられてきました。過食が始まった頃から精神的にも不安定になり、自殺未遂を繰り返した時期もありましたが、今は短時間ながら働けるところまで快復しました。
本の虫で、とにかく数だけは読んでいるので、主に摂食障害に関する本の感想などを書くことなんかで皆さんとつながっていきたいなと思っています。よろしくお願いします!詳しくはコチラ

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初めての方へ

はじめまして。蘭と言います。

1983年生まれ、現在は旦那さんと娘と息子の4人家族で神戸に住んでいます。

その前までは、5年の過食嘔吐、嘔吐を辞めて完治するまで9年。全部で14年かけて摂食障害を克服しました。

おこがましいですが、その経験を活かし、渦中にいる方のお手伝いを旦那さんと2人でしています。

お手伝いと言っても、専門家や医師ではないので、カウンセリングや、診察など出来ませんが、その他の方法でいろいろやっています。つづきを読む。


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