摂食障害と蘭 Eating Disorder Ran

[摂食障害×世代間連鎖]生き物

「摂食障害×世代間連鎖」というテーマできぴさんに連載コラムを書いていただいてます。連載の一覧はコチラ

生き物

(全然世代間の話じゃありませんw)

わたしは動物が好きで、しつけをしたり手懐けるのがとても得意だ。今こうして考えると「得意なことや好きなことがわたしには全然なかった」、と悲観するのも過小評価していた自分の勘違いだったことに気付く。我が家では小さい頃から色んな動物を飼っていて、いつも弟と世話をしていた。学校でも生き物係だけは率先してやった記憶があるし、そういえば学校帰りにひたすら白鳥にパンの耳をあげる、という‘白鳥クラブ’を作り、わたしはその部長だった。

あひる、にわとり、猫、ハムスター、亀、犬。羊を飼っていたこともある。あひるは怪我をしていたのをそのまま連れて帰り、なぜか父も気に入ってくれたので、そのまま飼うようになった。にわとりは何度飼ってもテンに食べられてしまうので飼うのを諦めたが、その他に猫を何匹も拾ってきてはこっそり蔵の中で飼ったりもした(かくまわないと酒を呑んだ父が野良猫を棒で叩くのだ)。ハムスターは、手癖の悪い小学生の時、間違って(?)ペットショップから拝借してきたもので、ポケットにむんずと何匹も入れて家に持ち帰った(汗)。

さすがにこの時は、100%わたしがイケないし、それがバレて、父にはボコボコにされた(笑)亀は甲羅に小さな穴を開けて(痛くないらしい)、長~ い針金を結んで一緒にお散歩に出かけたり、 よく川で放 し飼いにさせたりして遊んだ。そして、冬眠時期になると亀たちを布でぐるぐるにくるんで勉強机の引き出しに入れておく、という謎の飼育法に成功し、亀は本当によく可愛がった。

逆にいい思い出がないのが犬だった。うちの両親は自分らのイメージだけが先行するのか、大きい血統書付きの犬を何度も飼っては、絶対絶対絶対絶対絶対に散歩に行かない人たちだった。一度も犬の散歩に行ったことはないと思う。自ずと散歩の役目はわたしに回ってきて、幼心に犬の散歩はすごく苦痛な作業だった。別に「散歩に行け」と両親に言われたわけでもないんだけれど、行かないと可哀想だった。自分を見ているようだったのかもしれない。

その後、わたしが家を出てからは、誰ひとり犬の散歩に行かなくなった。母は犬を「汚い」呼ばわりするクセに、自分のブログやフェイスブックには犬ラブ♡猫ラブ♡な自分をアピールさせる、という用途に使っていた・・・(まあ、「動物好きアピール」はイメージが悪くなるこたないからな)。親指のボタンをたくさんもらえてたね。良かったね、おかーさん。

一昨年、弟とお金を出し合って、本格的な動物のお墓と慰霊碑を庭の片隅に作った(所詮人間の気休めだが)。弟も犬に対する懺悔の気持ちが強かったらしい。まーそんなモノで許してもらえるかはわからないけれど。

そして今、わたしはパグを飼っている。小型犬を飼うのは初めてだ。もし犬がことばを話せたら、わたしは100%犬を飼わない。わたしの寂しさを紛らわすために、ことばを持たない犬は都合がいい。しかも、可愛いときたもんだ。そして決して溺愛はしないように、だけどむこうがこちらを愛してくれているように、わたしも一生懸命愛を返そうと努力をする。この行ったり来たりで過ぎていく犬との時間がとても大切な宝になっていく。わたしはいつも愛を貰ってばかりの勝手な人間だ。

パグは、鼻の頭がとんでもなく臭くて(へそゴマみたい)、深いシワからは原始の獣の臭いが(ホンワカ)、口の中は魚市場のにおい(死んだザリガニっぽい)、肉球はとんがりコーンのにおい(焼きとうもろこしかも?)、そしてお風呂に入れ忘れると三角公園のにおい(西成区)がする。洗えば別にどうってことないのだけれど、どのニオイも、わたしには愛すべきニオイなのだ。

耳はビロードみたいにすべすべで気持ちがいいし、親戚のおっさんみたいないびきをかくけど、愛嬌があって、表情もある。パグを見ていると「ああ、コントみたい」と思えて幸せな気分になるのだ。それにトイレにも毎回ついてくるし、お風呂の時もすりガラスの向こうにヌルッと自分のシルエットをアッピー ルする、というストーカーぶりだ。なのに、わたしが泣いていてもチラともこちらを見てくれないし、プチ発狂してもまるで無視。過食の時は必ず横にいるのだけれど(もらえるからね) 。

そんな、我が家の犬も老パグに近づき、今年からシニアとか呼ばれる年らしい。
また涼しい秋がやってきたよ。気持ちがいいね!今年も旅に出かけるよ!どうか、これからも元気な裸のおっさんでいてね。

執筆者

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きぴ、女です。

摂食障害という「魔法の杖」をつきながら、18年が経ちました。10代から摂食障害になり、自己否定感と、劣等感と、それはそれは妙な自信とで生きていました。醜態恐怖症と薬物依存症もありましたが、日々、孤独に内省することで自ら克服しました。自己否定感と劣等感にも以前よりは苛まれなくなり、現在は随分生きやすくなりました。

どちらかというと孤独をすごく愛していますが、そう格好つけて言えるのは自分は孤独ではないからです。ここで、みなさんに出会えたのは摂食障害になったおかげだと思ってます。みなさんには本当に感謝しています。橋と地図と犬とひたすら何かを考えることが好きです。詳細はコチラ

最後に

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はじめまして。蘭と言います。1983年生まれ、現在は旦那さんと娘と息子の4人家族で神戸に住んでいます。その前までは、5年の過食嘔吐、嘔吐を辞めて完治するまで9年。全部で14年かけて摂食障害を克服しました。このサイトでは、皆の摂食障害体験を共有するアンケート、摂食障害経験者によるコラム、自由に書き込める摂食障害のための掲示板を管理しています。