摂食障害と蘭 Eating Disorder Ran

[摂食障害×世代間連鎖]ふじくん

「摂食障害×世代間連鎖」というテーマできぴさんに連載コラムを書いていただいてます。連載の一覧はコチラ

ふじくん

 生まれて始めて行ったオフ会というもので、私は摂食障害を経験した(している)方たちが子供を産み、お母さんをしているのを見た。

 わたしはその時にみなさんのお子たちを眺めながら、「おお~、すげ~。こどもだ!超小さいぜ。まだ『ぼく』なんてのもないんだろーな。すげー。こっからモノ(観念)を教えこまれんのかよ、ほんでまたそれをこの子が覚えんのかよ、おい!」と感動しながらも、それに恐怖を感じる自分と、それを必死に「他人事」に思いたい自分がいた。

わたしなんかの観念を、自分の腹から出てくる誰かにさも当然のことように教え込むという、この謎の行為を考えると、わたしはゾッとしてしまうのだった。ふじくんを抱っこしながら「わたしは子供が嫌いだ」と思っていた自分が、実は子供が嫌いなのではなく、「ただひたすらに自分自身が恐ろしいだけ」だったということに改めて気付いてしまった。自分があの日、ふじくんを抱っこしながら背中にびっしょりかいた冷や汗と、手のひらで感じるふじくんの温かい重さを今でも思い出す。

そして何よりまた、同じく摂食障害を持つお母さんたちが、おそらく必死で子育てをしているであろう姿に神がかった尊いものを感じながらも、あーだこーだと屁理屈を言いながら「黙って産めないわたし」がそこにポツンと取り残される、というこのいつもの感じに再び戻ってしまう。

 どの時代のどこの国でも、親は皆、色々な悩みや不安を抱えながら一喜一憂し、子に対してその時良かれと思った最善の行動をしたんだと思う。そして、それがこの脈々と続いてきた現在になるんだろう。そして、こ のわたしもまたそんな「お父さん」とか、「お母さん」とか言う人たちに育てられた。
 

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執筆者

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きぴ、女です。

摂食障害という「魔法の杖」をつきながら、18年が経ちました。10代から摂食障害になり、自己否定感と、劣等感と、それはそれは妙な自信とで生きていました。醜態恐怖症と薬物依存症もありましたが、日々、孤独に内省することで自ら克服しました。自己否定感と劣等感にも以前よりは苛まれなくなり、現在は随分生きやすくなりました。

どちらかというと孤独をすごく愛していますが、そう格好つけて言えるのは自分は孤独ではないからです。ここで、みなさんに出会えたのは摂食障害になったおかげだと思ってます。みなさんには本当に感謝しています。橋と地図と犬とひたすら何かを考えることが好きです。詳細はコチラ

 

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はじめまして。蘭と言います。1983年生まれ、現在は旦那さんと娘と息子の4人家族で神戸に住んでいます。その前までは、5年の過食嘔吐、嘔吐を辞めて完治するまで9年。全部で14年かけて摂食障害を克服しました。このサイトでは、皆の摂食障害体験を共有するアンケート、摂食障害経験者によるコラム、自由に書き込める摂食障害のための掲示板を管理しています。